「常に挑戦者であれ」マイプロジェクト全国サミットを終えて 饒波隼人「前編」 

大学合格実績・卒業生の声・TOPICS探究学習
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「マイプロジェクト」は人生の転機 東京大学キャンパスで誓ったこと 

 今日は私が全国サミットで経験した3つの物語をお話ししたいと思います。それは、私のこれからの人生における大きな転機や学びをもたらし
た出来事です。皆さんがこれから進む道に、少しでも役立つことを願っています。
 

 まず最初にお話ししたいのは、「何事も楽しむ」ことです。実のところ、私は全国大会に出場したことがありませんでした。

つまり、今回が私にとって初めての挑戦でした。
 会場の東京大学のキャンパスに入った瞬間、私は緊張して雰囲気に圧倒され、緊張感に飲み込まれてしまいそうになりました。

でも、周りを見渡すと次の日に発表を控えているのにも関わらず、ほとんどの人が笑顔で話していました。

これまでいろんな失敗や挫折を経験してきたのに、そのような表情は一切見せていなかったのです。

それを見て、私は恥ずかしさと同時に、少しだけ勇気をもらいました。


 そしてその瞬間、私は自分に誓いました。「この3日間、羞恥心を捨てて全力で楽しもう」。緊張を抱えたままでは何も始まらない。

私は今、この瞬間を楽しむことを決意しました。

そして羞恥心を捨て、私が3日間で一番成し遂げたいこと、つまり伏見をPRするために、新選組の法被で会場を歩きました。
このときに学んだことは、どんな場面でも、楽しむことを忘れてはいけないということです。

人生は、一度きりです。その一瞬一瞬を楽しんでこそ、初めて本当に意味のある成果が生まれるのです。

私たちが新しい挑戦に直面したとき、緊張して不安になってしまうのは当たり前です。

でも、その不安を乗り越えて楽しむことこそが、成長への第一歩なのです。


探究は大学入試のためではない

 次にお話ししたいのは、「使命と継続」の大切さについてです。

マイプロの発表当日、私の前に和歌山県から来たチームの発表がありました。その中で、一人のメンバーがこう言いました。

「探究は、推薦のためだけにやっていると言われて悲しかった」と。私はその言葉に深く共感しました。

なぜなら、私にもそのように言われることがよくあったからです。「大学合格おめでとう」や「総合型選抜で使えるね」といった言葉を何度も
耳にし、悲しくなりました。確かに、大学の入試に役立つこともあるかもしれません。

しかし、もし今、あなたがそのような考えに囚われているのであれば、それは非常にもったいないと思
います。
 探究は大学入試のためではありません。探究は、自分自身の未来を切り開くための力を育むことができるのです。

それは単なる試験勉強では発見することができないものもあり、自分がどんな人間になりたいのかを深く考えるための方法でもあると思って
います。つまり、探究は時に将来の自分の人生を変えるものだと私は思っています。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そうでなくても人生の選
択肢を増やす事ができるとも考えることができます。
 和歌山のチームがプレゼンの最後に「自分たちの活動及び探究の魅力を広めることが私たちの使命だ」と言ったとき、

私はその言葉にも強く共感しました。私もその使命を感じていました。

探究は、失敗を繰り返しながら成長していく過程であり、それこそが本当の意味で自分を変える
力を持っているのです。

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探究とは失敗から学ぶこと

 そのあと、実際に私も探究発表を行い質疑応答をサポーターの方としました。

対話の中で、「あなたにとって探究とは何ですか?」という質問を受けました。

その時、私はこう答えました。「探究は失敗です。失敗から学び、何が足りなかったのかを振り返り、次に活かすことが探究だと思いま
す。」失敗を恐れず、その失敗から何を学べるかを考え続けることこそが、探究の本質だと思います。

もう一度いいます。探究は失敗を繰り返すことで新たな発見をすることができるのです。

だから、失敗を恐れないでください。妥協はいりません。


 そして、最も大切なのは「継続」です。どんなに苦しい時期でも、どんなにうまくいかないことがあっても、一所懸命に継続し続けること。

それが最も難しく、そして最も重要なことだと思います。私にも何度も壁にぶつかり、挫折しそうになったときがありました。

それでも、私は自分の「好き」を信じて、諦めることなく楽しく続けてきました。その結果、今の「私」があるのです。


 最後にお話ししたいのは、「創造と共生」についてです。残念ながら、私は決勝進出の6プロジェクトに選ばれませんでした。結果発表
のとき、私は一瞬何が起こったのかわからず放心状態でした。伏木先生と松井先生に声をかけられたときに初めて落選したのだと理解し、

思わず号泣してしまいました。もっとたくさんの方々に自分の活動を知ってもらいたかったですし、共に伴走してもらった先生には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

でも、その後すぐに気づいたことがあります。それは、マイプロはただの「通過点」に過ぎないということです。

人生を長く見たとき、この経験をどう活かしていくかがこれからの私にとって一番大事だと思ったのです。


「後編」へ続く