【卒業生インタビュー】渡利直遥さん(ディスカバリーコース4期生)「探究活動で強みをみつける」

中学校(中高一貫)卒業生の声探究学習
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ディスカバリーコースを今年2025年3月に卒業、現在は大阪大学で学生生活を送っている、渡利直遥さんにお話を伺いました。

今日の卒業生:渡利直遥さん 大阪大学工学部応用理工学科

聞き手:ディスカバリーコース統括 伏木陽介


伏木先生:こんにちは。どうもお忙しいところありがとうございます。今日はよろしくお願いします。

渡利さん: お願いします。

在学中の探究活動:研究テーマと経験

伏木先生: じゃあ、早速なんですけど、まず在校中のゼミ、探究活動について伺えたらと思います。高校時代、どういう研究テーマに取り組まれていたかを簡単に教えてもらえますか?

渡利さん: はい。えっと、高校時代のゼミ活動、つまり探究活動で扱った研究テーマは、大きく分けて 3つあります。

  1. 高校1年生の時:野球のボールの軌道に注目して、ボールの下の位置にどういう力が発生しているか、どういう軸でボールが回転しているか、といったことを調べました。

  2. 高校2年生の時(前半):物理チャレンジというコンテストに出場し、振り子について扱いました。物理で習う周期の公式は振幅が小さい時にしか適用できませんが、振幅が大きくなった時に、振り子の長さや振幅ごとにどういう関係があるのかを調べました。これは、僕と森田くんと吉村の 3人で出場したもので、僕と吉村は振幅を変える実験、森田くんは振り子に角度をつけて(重力方向を変えて)条件を変える研究をしました。

  3. 高校2年生の時(後半):物理チャレンジの 1次審査を通過できなかったので、物理学会のジュニアセッションという別のコンテストに出場しました。そこで行ったのは、赤鉛筆が折れる時に、赤鉛筆の位置によってどういう力がかかっているかに着目した実験です。

    伏木: なるほど。その研究テーマを見つける過程で、どういうものを参考にしたか、といったことはありますか?

渡利さん: 高校1年の時は、僕と森田くんの二人ともが野球好きだったので、「じゃあボールの軌道を調べてみよう」という感じでテーマを決めました。ただ、高校2年後半の物理学会のジュニアセッションの赤鉛筆の研究は、テーマ設定が結構難しかったです。物理学会は研究テーマが何でもいいので、逆に何を研究すればいいのかが難しくて。そこは、当時の物理ゼミ担当だった山田先生と色々話しながら決めました。僕が「鉛筆が折れる、シャーペンが折れるという現象で何か研究できないか」と相談した時に、山田先生が「折れる時の構造に着目したら面白いんじゃないか」と研究テーマを持ってきてくださって。高校物理の知識だけでは研究しきれないところがあったので、山田先生に大学物理などの知識も教えてもらいながら研究を進めました。

伏木先生: なるほどね。その探究を進めていく中で、印象に残っている探究活動はありますか?今でも思い出に残っている、記憶に残っていること。

渡利さん: やっぱり、高校 2年生の時に行った 2つの研究は、週 2コマしかなかったゼミの時間だけではどうしても終わらなかったことです。時間が足りないので、放課後や土曜日の午前中(物質が空けてもらえる時間)などを利用して、使える時間をいっぱい使って活動しました。他のゼミの人たちは割とゼミの時間の中で完結していた印象もあるのですが、僕たちは時間に関係なく、できる時にやろうというのでやっていたのが、結構印象に残っています。

伏木先生: そういう意味では、探究の時間だけに限らず、自分たちで選んだテーマ、やりたいなと思ったテーマに対して、時間を作って工夫してやっていったのを、今のお話で強く感じ取れます。そういう時間というのは、非常に貴重だったということですね。


外部コンテストと専門家との関わり

伏木先生: ありがとうございます。そのジュニアセッションの話なども出ましたが、外部コンテスト、そして外部の研究者や専門家との関わりについて、何かお話いただけることはありますか?

渡利さん: その物理学会のジュニアセッションに出た時、自分の研究を発表するのですが、聞く人は他の出場者はもちろん、いろんな大学の教授もたくさんいらっしゃいました。そういう人たちに聞いていただいた後に、質問を結構されることもあったのですが、何も知らない状態でそういう局面に当たってしまうと、「自分の研究に不備があったんかな」とか「何か漏れがあったんかな」というネガティブな気持ちが出てしまうんです。その時に、山田先生から「たくさん質問されるということは、関心を持ってもらっているということだから、別に悪いことじゃないし、不安になる必要はない」と言っていただきました。発表後に質問攻めにされると、どうしても不安な気持ちになったり、「何か悪かったかな」と思ってしまうことはあるのですが、そういう局面に対する見方がちょっと変わったところはあります。

伏木先生: なるほどね。質問されたり言及してきたりすることが、むしろ関心の表れだと。なかなかね、それって大人になってもすぐに持てる感覚ではなくて、培っていくのが難しい部分ではありますよね。はい、ありがとうございます。


探究活動が学習・進路に与えた影響

伏木先生: その探究活動が、直接ではないけど、例えば勉強受験勉強という意味で、どう強化学習の部分に反映したのかとか、自分の進路、あるいは高校 3年生の時を含めて、何か影響があった部分について聞きたいです。

渡利さん: はい。やっぱりその物理の実験をやっていたので、物理の授業で実験でやった内容が出てきたりすると、「あ、ここあの実験でやってたところやな」という。そこはこうすんなり受け入れられるというか、その実験と結びつけながらやれるので、それは楽しかったなという。

伏木先生: やはり日々物理ゼミで取り組んできたことが、物理の授業などと連結するところがあったんですね。うんうん。他になんか、受験勉強そのものにはないけど、大学の進路を決める上で影響があったとか、そういったところはありますか?

渡利さん: その受験にあたって、大学をどこを目指そうかというのを決める時に、やっぱりその探究活動とか研究というのは、すごい大きなアピールポイント大きな武器になるので、それを活かせる入試方式を探す、というのは探究活動をやってなかったら多分なかったと思います。大学ごとに、同じ推薦とか一般とか言ってても、どの入試方式を使うか、どの教科を使うか、どこまでの活動が影響するか、というのは違ってくるので、そういうところから大学を見て、志望校を決める、というのには少なからず影響があったかなと。

伏木先生: なるほど。では、その今の生活に、例えばその探究の授業や実験、その総体として全体が、大学での取り組みや、日々の学習、研究、学びに繋がっている部分というのはありますか?勉強面だけでなく、生活面も含めて何かあれば。

渡利さん: はい。その探究活動は中 1から結構多くの時間割いてもらってやってたんですけど、特に高校 2年生の時に行った研究は、仲間と一緒に行ったというのもあるんですが、結構楽しかったという印象が強くて。今、大学生になって、もう来年とか再来年とかには研究とか実験とかいっぱい入ってくる時期になります。先輩の話とか聞いてると、「実験はしんどい」とか、「レポートが多い」「予習が大変だ」とか、ネガティブな意見が結構多い中で、やっぱり**「研究は楽しかったんだ」**という印象が僕の中には強く残っています。なので、ネガティブな印象だけじゃなくて、もちろん大変かもしれないけど、楽しい側面もあるんじゃないかという思いが強くあります。

伏木先生: すごい貴重な、ありがたい経験ですね。探究や研究活動に対してポジティブな感想を持った状態で大学に進んでもらえたというのは、すごいありがたいなと今聞いて思いました。ありがとうございます。

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後輩へのアドバイスと教員の役割

伏木先生: では、徐々に在校生に向けてのメッセージみたいな話になってくるんですけど、後輩に向けてのアドバイスとして、探究活動の面白さや醍醐味について、教えていただけますか?

渡利さん: はい。その僕がやってた物理ゼミでの探究活動は、研究っぽい側面が強かったんですけど、中学校でやってた探究活動は、自分の興味を持ったことをひたすら掘り下げて調べて、それをまとめて発表する形が多かったと思います。その探究活動に関しては、やっぱり自分の興味の持ったことについて、たくさんのことを知ることができる。もともと興味を持ってても、知識量がまだまだ少なかったり、知らんことがいっぱいあったりする中で、自分で調べながら活動していくと、知識も増えるし、その知識を元に「じゃあこれはどうなんだろう?」という新たな疑問が生まれたりもするので、思考回数も増える。そういうところは結構面白いなと考えています。

伏木先生: ありがとうございます。そうですよね。自分の好きなことをどんどん深掘りしていく中で、見つけられる世界というのはすごいあると思うので、そこを私も後輩にうまく伝えていけるように頑張っていきたいと思います。その探究をやっていく中で、必ずしもスムーズな一本道ばかりではありません。例えば、実験でつまづいたりテーマ設定でつまずいたりと、様々なハードルがあったり、立ち止まったりすることもあると思います。そういう、ちょっとモヤッとする瞬間に、後輩たちへ何かアドバイスがあればお伝えいただけますか?

渡利さん: やっぱりその探究活動で困ったら、周りの先生をもう頼りまくる、というのは一つ手かなと思っています。実際僕も、物理ゼミで実験やってた時に、テーマがなかなか決まらへんかった時に、当時のゼミの担当の先生にもう頼って「なんかないか」というのを聞いたりもしていたんで。花園の一貫の先生というのは、探究活動に関して結構プロの方が多いというか、長く関わっている方が多いので、そういう先生たちに頼って何か案を得るというのは、一つ手かなと考えてます。

伏木先生: ありがとうございます。そうですね。恥ずかしがったり、「これ聞いちゃいけないのかな?」と思ったりしないで、愚痴も含めて伝えてもらっただけでも、何かが次に繋がることもあると思って。ぜひ、大学生の先輩の声として伝えていけたなと思います。次にですが、グループ探究についてです。企業ミッションのようなチームで探究する瞬間があったわけですが、どういう考え方グループ探究に臨んでいったらいいか、後輩へのアドバイスをいただけますか?

渡利さん: グループの探究活動は、多分最後にやったのが中 3の企業ミッションかな。結構前なので、ちょっと曖昧な部分もあるんですけど、やっぱりその、コミュニケーションの量を多く取るというのは大切かなと考えています。目的を何にするか、何を目指して活動するか、「自分はこれやる、他のメンバーはこれやる」といったところも、話が食い違うとグループ活動する上で障害になったりするんで、やっぱりコミュニケーションを多く取って、食い違った意見も話し合うことで解決するとか。コミュニケーションを多く取ったら解決することはいっぱいあると思うので、そこは大事かなと考えています。

伏木先生: ありがとう。やはりコミュニケーション、話し合いとか、意思をお互いに言語化して伝え合っていくのが大事、といったところですね。大抵のことは、相手は自分の思いを分かっていると思ってた、といった勘違いから生じがちです。「自分はこう思ってるよ」というのをできるだけ具体的に話していくのは、食い違いが生じにくくするための工夫として、ものすごい必要になってくる。探究に限らず、いろんなシーンで必要になってくる基本的なマインドセットになるかなと、聞いていて思いました。


探究活動で見つけた強み

伏木先生: じゃあ、探究活動を通じて、何かこう得られた自分の強みみたいなものがあると思いますか?例えば、思考力や表現力など、ここに挙げているものでなくてもいいです。探究活動で得られたもの、ここが特に自分の強みだ、というのがあれば教えてください。

渡利さん: その高校の物理ゼミで行っていた研究で、これ自分の強みなんじゃないか、というのは、やっぱり研究をやっていく中で正確さというのは結構大事で。長さを測る時にも、定規の細かい目を見て、1mmの幅でも結構ズレがあったりする中で、そこをどれだけ意識したらいいか、というのをこれまで意識したことがなかったんです。そこを意識するのは、やっぱり自分の几帳面さとか、正確性を求める性格が出てたのかなという。これはやっぱり実験のデータに影響する部分なので、そこは自分の強みなんじゃないかなと。これまでだと、几帳面がゆえに時間がかかってしまう、というデメリットが目立つこともあったんですが、研究では、時間がかかってしまうというのはもちろんデメリットではあるんですけど、一方で今の強みになったりするというのは感じました。

伏木先生: ありがとうございます。すごい機密さというか、研究だからこそ求められる正確性。それって、ゼミだけじゃなくて、いろんな強化学習でも、理系の学問って特にきちっとした数値を出すとか、そういうのが大事になってくるので、色々な分野に応用が効くような強みなのかなと感じました。この内容を後輩にも伝えていけたらと思っていますので、伴走の先生方も含めて、広く我々の探究活動をより良くしていくためにこの経験談を生かしていきたいと思います。